漢方薬とは

漢方薬とは生薬を組み合わせる医薬品です。

漢方薬は多くの場合、いくつかの生薬を組み合わせています。生薬の特徴を活かした組み合わせで、不足を補い、特定部位への作用を導いたりすることができます。

生薬とは、薬効のある動・植物や鉱物を、保存しやすいように感想や加工を施したものです。

漢方薬の種類

軟膏

生薬にごま油などを使って有効成分を抽出し膏剤にしたもの。

散剤

生薬をそのまま挽いて粉末状にしたもの。

湯剤

煎じ薬のこと煮出して成分を抽出服用します。

エキス剤

生薬を煎じた液からエキス成分を抽出し製剤化したもの。

丸剤

生薬を粉末にしたものやエキスをもとに蜂蜜などを加えて粒状にしたもの。

オーダーメイド医療

近年は、西洋医学でも患者さま一人ひとりに応じた「個の医療」が言われるようになりました。いわゆるオーダーメイド医療です。
漢方治療の特徴は、まさにオーダーメイド医療です。

西洋医学でいう「第一選択薬」は、統計的に効く確率がもっとも高い薬です。
漢方では、一人ひとりの患者さまに合う漢方薬を選ぶことを第一に考えます。
体質や病気に対する反応性の違いに着目して、治療の適用性を見極めようとします。

個人を重視する考え方が、漢方が再評価されている理由のひとつと言えます。

漢方は、古くて新しいオーダーメイド医療です。

漢方薬は処方薬

漢方の方剤は、特定の方法で加工調整した生薬を用いて、その混ぜ方や比率、服用法など長い歴史の中で体系化されてきたものです。
漢方薬は「医療用医薬品=処方薬」として使われています。

ドクダミは古くから利用されてきた「薬草」ですが、自分でつんだドクダミを煎じて飲むのは、いわゆる「民間療法」です。
自然の薬草を使えば漢方治療というものではありません。
民間療法は、いわば生活の知恵として行われてきたものです。

不定愁訴

女性の一生には、男性以上にホルモン分泌の変動があります。
妊娠・出産・更年期という大きな変動期もあります。
ホルモン分泌の乱れは自律神経の働きにも影響して、不定愁訴(ふていしゅうそ)が生じやすくなります。

しかし、検査をしても原因を特定しにくく、医学では対応しにくいことも多いのです。
日本では古くから、頭痛、のぼせ、めまい、発汗、熱感、冷感などの症状を「血の道」と呼んで、漢方治療が行われてきました。


多くの産婦人科医が漢方薬を治療に取り入れていますが、特に心身両面に症状が重なって現れている人に有用と考えられており、女性特有の不定愁訴の治療には特に向いているといえます。

不定愁訴(ふていしゅうそ)は、臨床用語で、患者からの「頭が重い」、「イライラする」、「疲労感が取れない」、「よく眠れない」などの、「なんとなく体調が悪い」という強く主観的な多岐にわたる自覚症状の訴えがあるものの、検査をしても客観的所見に乏しく、原因となる病気が見つからない状態を指す。

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